膝関節の構造について書いていきます。
”膝の関節”は意外と複雑な構造をしています。
ここであえて”膝の関節”と言ったのは膝には2種類の関節があるからです。
膝の関節の種類
①大腿脛骨関節
②膝蓋大腿関節
①大腿脛骨関節は大腿骨(太ももの骨)と脛骨(スネの骨)で構成された関節。
一般的に膝関節と呼ばれている関節です。
ここには半月板・靭帯・関節包などの様々な組織がいろんな役割をして存在しています。
この組織が機能しなくなると関節の痛みを起こす可能性が高まってきます。
②膝蓋大腿関節は膝蓋骨やパテラ(膝のお皿)と言われる骨と大腿骨(太ももの骨)で構成された関節。
あまり聞きなれない関節ですがこの関節の動きによって膝の関節をスムーズに動かすことができるようになります。
今回は膝を動かすのに大切な役割を果たしている膝蓋大腿関節、なかでも膝蓋骨を詳しく説明します。
膝蓋骨
膝蓋骨はパテラとも呼ばれ、一般的には”膝のお皿”と言われています。
この骨は大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)の腱に包まれていて、人体最大の種子骨です。
種子骨とは摩擦が起こりやすい部位に存在し、筋肉や腱の力を伝わりやすくする滑車のような役割をする骨です。
なので膝蓋骨がないと大腿四頭筋の力を上手く伝えられず膝の屈伸がしにくくなってしまうことが考えられます。
そしてこの膝蓋骨の動きが大事になってくる関節が膝蓋大腿関節です。
膝蓋大腿関節では膝の屈伸時に膝蓋骨が縦方向・横方向に動く構造になっています。
膝を伸ばした状態から曲げていく時、膝蓋骨は下方にかつ外側から内側に動く軌道をとります。
膝蓋骨の動きを悪くする原因
・下肢のアライメント異常
(ニーイン・X脚・O脚)
・内側広筋の弱化
・大腿四頭筋の過緊張
・大腿筋膜張筋・腸脛靭帯の緊張
・軟部組織(膝蓋上嚢・膝蓋下脂肪体など)との癒着
このようなことが原因で膝蓋骨の動き、軌道が悪くなると膝関節痛が出やすくなります。
また年齢を重ねると膝関節の変形を伴い、変形性膝関節症になる可能性が高まります。
パテラセッティング
大腿四頭筋を収縮させ膝蓋骨の機能・動きを改善するためのトレーニングです。
大腿四頭筋の収縮とともに膝蓋骨が上方に動くことで軟部組織との癒着を剥がしたり、
また内側広筋を意識することで膝蓋骨が外側変位してしまったのを正しいアライメントに戻す効果もあります。
<効果>
・内側広筋の強化
・膝蓋骨のアライメント補正
・軟部組織との癒着の改善
・膝関節伸展可動域の改善
<方法>
①長座位で丸めたバスタオルをトレーニングを行う方の膝下に入れる(タオルによって軽く膝が曲がった状態)
②反対の膝は立てます
※両膝とも伸ばした状態だと腰に負担がかかってしまうためNG
②両手は身体の後ろにつきトレーニング開始
③タオルを入れた方の膝を伸ばす(膝の裏でタオルを潰す意識を持つと力が入りやすい)
※内側広筋が収縮するのを感じましょう
④力を入れた状態を3~5秒キープ、力を抜くを繰り返す
(10~15回を2~3セット行う)
いかがでしたでしょうか。
負担のかかる膝にも労ってあげてみてくださいね。