整骨院は、いずれも「柔道整復師」という国家資格の有資格者が施術を行なう所です。
柔道整復師は骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷の施術の専門家であり、健康保険を使用しての開業権が与えられていますが、
整形外科のリハビリやスポーツ施設、介護施設などでも活躍しています。
しかし、医師免許ではないため医師ではありません。
したがって整骨院や接骨院も、すべての診療(一部例外あり)に健康保険を使える病院(保健医療機関)とは違います。
それでは、整骨院について詳しくみていきましょう。
整骨院で行なう施術とは
整骨院では、柔道整復師が骨つぎやマッサージなどの「施術」を行ないます。
患部を温めたり、マッサージ目的の機器を使うこともありますが、法律で定める「医療行為」を行なうことはできないため、
骨折や脱臼の施術を整骨院で受ける場合、医師の同意がない限り、応急手当のみとなります。
「整復」とは、骨折や脱臼した部分をもとの正常な位置に戻すことですが、
医師ではないため手術注射・薬の投与・レントゲンなどは行なえません。
柔道整復師の専門は、骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷(肉離れ)で、
急性期の場合は、受傷後2~3日はRICE処置(Rest(安静)、Ice(アイス)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)
といった応急処置に必要な4つの処置)を行ないます。
傷みや炎症が落ち着いたら、温熱・手技・電器・運動療法を実施します。病院と同じように健康保険も使えますが、
原因の見当たらない慢性的な痛みが残る場合は(疲労・倦怠感など)、保険の適用外となります。
健康保険が使える施術、使えない施術
柔道整復師(接骨院・整骨院)にかかる場合、健康保険から療養費としてその一部が支払われます。
しかし、健康保険の対象となる場合とならない場合があります。
一般的に整骨院や接骨院でマッサージや施術をしてもらい、肩こりや腰の痛みが緩和したとしても、
単なる肩こりや筋肉疲労などの場合は、健康保険は使うことができない場合がほとんどです。
健康保険を使える場合
整骨院・接骨院で健康保険を使えるのは次の5つに限定され、それ以外の場合は使えません。
※「外傷性」で「急性または亜急性」の「出血を伴わない」ものに限る。
□ ねんざ
□ 打撲
□ 挫傷(肉離れ)
□ 骨折(医師の同意がない限り応急手当のみ)
□ 脱臼(医師の同意がない限り応急手当のみ)
健康保険を使えない場合
□ 日常生活で生じる肩こり、腰の痛み、体調不良、疲労など
□ スポーツのあとの筋肉痛
□ 病気(リウマチ、五十肩、関節炎、ヘルニア、神経痛など)による痛みや違和感など
※病気による痛みなどの場合は医療機関を受診しましょう。健康保険を使えます。
□ 原因や負傷した日時がはっきりしない痛みや違和感など
□ すでに治ったけがが再び痛みだしたなど、けがの後遺症
□ 同じけがの部位について、医療機関の治療と整骨院・接骨院の施術を並行して受ける
□ 骨折・脱臼の応急手当のあと、医師の同意なく続ける施術
□ 症状の改善がみられないのに漫然と続ける施術
□ 交通事故など第三者の行為によるけが(加害者が施術費を負担)
□ 業務中または通勤途上のけが(労災保険適用)